【個人手配で行くモンテネグロ】コトル観光には何日必要?実際に旅したルートを公開

バルカン半島を代表する観光地といえばギリシャやクロアチアですが、モンテネグロのコトルも非常に魅力的な街です。
クロアチアのドゥブロヴニクからであれば3時間程度でアクセスできるため、クロアチア旅行に組み込んで訪れるのもおすすめです。
一度の海外旅行で2ヶ国を周遊できるので、お得な気分を味わえますよ!
今回は、筆者が実際にコトルを訪れた際の様子をご紹介します。
これからコトルを訪れる方の旅行計画の参考になれば幸いです。
コトルとは

モンテネグロのコトル(Kotor)は、アドリア海に面した美しい湾と歴史的な街並みが特徴で、たくさんの猫がいることでも有名な街です。
コトルは古代ローマ時代から存在する古い都市で、中世には東ローマ帝国やブルガリアとの争いの中で要塞化が進みました。
15世紀から約400年間はヴェネツィア共和国の支配下にあり、このことが街に独特の建築様式を残す大きな要因となりました。
石造りのヨーロッパらしい風景が広がる旧市街はユネスコ世界遺産にも登録されており、クロアチアの人気観光地であるドゥブロブニクからの日帰り旅行先としても多くの観光客に親しまれています。
アクセス
ドゥブロブニクからコトルへ行くには、クロアチアとモンテネグロの国境を通過する必要があります。
モンテネグロはEU加盟国ではないため、国境では出入国審査が行われますが、特に観光シーズン中は混雑し、待ち時間が長くなることがあります。
さらに、クロアチアがEUに加盟してからは、以前にも増して審査が厳しくなり、所要時間が長くなる傾向にあるようです。
これを踏まえて、ドゥブロブニクからコトルへの主な交通手段を見ていきましょう。
- バス
最も手ごろな価格でドゥブロブニクとコトルを移動できますが、国境審査や渋滞の影響を大きく受けます。
到着までに5時間以上かかる可能性も十分にあります。- 所要時間:約2.5~5時間以上
- 料金: 20~30ユーロ程度
- タクシー
料金は高めですが、バスよりもはるかに速く快適に移動できます。
エアコンの効いた車内で、ストレスの少ない移動が可能なため、おすすめの手段です。- 所要時間: 約2.5~3時間
- 料金: 150~250ユーロ程度
- レンタカー
海外での運転に不安がなければ、自由なスケジュールで観光できるレンタカーも選択肢の一つです。
ただし、国際運転免許証が必要であり、レンタカー会社によってはクロアチアからモンテネグロへの越境に追加料金が発生することもあるため、事前に確認が必要です。- 所要時間: 約2.5~3時間
- 料金:レンタカー会社や時期によって異なる
- フェリー
観光シーズン(6月下旬〜9月下旬)には、Adriatic Linesがドゥブロブニクからモンテネグロのブドヴァ(Budva)までフェリーを運航しており、約2時間で行くことができます。
ただし、コトルまでは別途移動が必要です。- 所要時間: 約2~4時間
- 料金: 50ユーロ~
筆者はバスを利用してクロアチアからコトルへ向かいましたが、国境審査や渋滞により大幅に遅延し、散々な目に遭いました。
その際の体験談や、より詳しいアクセス情報について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

バスを利用する場合、国境審査に時間がかかったり、渋滞に巻き込まれたりして、予定より大幅に遅れる可能性があります。
そのため、日帰りでコトル観光を予定している場合、コトル到着後にトンボ返りすることになり、現地滞在時間が極端に短くなる恐れもあります。
そのため、ドゥブロヴニクからコトルへの日帰り旅行を計画している場合は、日帰りツアーに参加することをおすすめします。
ドゥブロブニク発のコトル日帰りツアーは多数催行されており、タクシーで往復するよりも価格が抑えられるうえ、移動や国境通過もスムーズに進むことが多いため、良い選択肢となるでしょう。
コトルの観光に必要な日数
コトルはとても小さな街なので、旧市街や城壁などの主な観光スポットは1日あれば十分に巡ることができます。
ただし、クロアチアなど近隣国から国境を越えて訪れる場合は、入国審査や渋滞によって大幅に時間がかかることもあります。
そのため、日程には余裕を持たせることが大切です。
特にクロアチアから訪れる場合は、コトルで1泊するプランを立てることをおすすめします。
コトルの観光スポット
コトルは、旧市街とそれを囲む城壁から成る小さな町で、観光スポットとしては歴史ある教会などが点在していますが、街全体の雰囲気を楽しみながらの散策が一番の魅力です。
ここでは、実際に訪れて感じたコトルの観光スポットの見どころや所要時間についてご紹介します。
コトル旧市街

コトルの起源はローマ時代に遡りますが、特に中世のヴェネツィア共和国支配時代(1420年〜1797年)に大きく発展しました。
その歴史的な面影は、現在の街並みにもしっかりと残っています。
街全体は高い城壁に囲まれ、内部には迷路のように石畳の路地が張り巡らされており、ヨーロッパの古い街並みを味わうことができます。
旧市街には教会や博物館のほか、カフェやレストラン、小さな広場も点在していて、ゆっくり散策するのにぴったりの街です。
代表的な旧市街の観光スポットは以下の通りです。
- 聖トリプン教会
- 聖ルカ教会
- コトル城塞
- 海洋博物館
- コトル猫博物館
このように、見どころはいくつかありますが、スポットを「制覇」するというよりは、旧市街の雰囲気を味わいながらゆったりと歩くのが、コトル観光を最も楽しむ方法だと思います。
所要時間
所要時間は1時間~半日ほど。
旧市街は300メートル四方ほどの小さなエリアで、急ぎ足なら1時間ほどで一通り見て回ることができます。
ただ、街中には趣ある風景や人懐こい猫たちなど、思わず足を止めたくなるポイントがたくさんあります。
そうした雰囲気を楽しみながら、半日ほどかけてのんびり過ごすのがおすすめです。
コトル旧市街(Kotor old city)
- 住所:Put do Svetog Ivana, Kotor Google Mapで開く
城壁

コトルの城壁は、旧市街をぐるりと囲むように築かれており、急峻な山肌を利用して高台の要塞「聖ジョヴァンニ要塞(サン・ジョヴァンニ城)」まで続いています。
この城壁と要塞は、長い間コトルの街を外敵から守ってきました。
旧市街を囲む海側の城壁は無料で、いつでも自由に歩くことができます。
一方、山側の城壁を登って聖ジョヴァンニ要塞へ向かうルートは有料です。
急な坂道を登ることになりますが、頂上からはコトル旧市街と湾を一望できる絶景が楽しめるため、人気の観光スポットとなっています。
所要時間
山側の要塞までの所要時間は往復で約1時間30分〜2時間ほど。
思った以上に時間がかかることがあるため、その日のうちにコトルを出発する予定がある場合は、時間に余裕を持って行動しましょう。
注意点
山側の城壁には約1,350段の階段があり、傾斜も急です。
道は石で舗装されていますが、決して歩きやすいわけではなく、特に雨の後は滑りやすくなるため、スニーカーなど滑りにくい靴を履くのがおすすめです。
また、夏は気温が非常に高くなるため、登るなら早朝か夕方がベストです。
日焼け止めや水分も忘れずに持参してください。
城壁(Old Town Walls)
聖ジョヴァンニ要塞(San Giovanni)
- 住所:St John Fortress, Put do Svetog Ivana, Špiljari Google Mapで開く
- 営業時間:3・4月 8時00分~18時00分、5~9月 7時00分~20時00分、10~11月 8時00分~17時00分
- 入場料:15ユーロ
- 営業時間や入場料は、筆者が訪れた2024年当時にチケットオフィスで確認した情報です。
時期によって異なる場合や変更されることがありますので、最新の情報は事前にご確認ください。
- 営業時間や入場料は、筆者が訪れた2024年当時にチケットオフィスで確認した情報です。
実際に観光してみた:コトル観光 2日間のスケジュール
1日目

11時発のバスでドゥブロブニクを出発しました。
13時過ぎの到着予定でしたが、入国審査や渋滞により、気づけばどんどん時間が過ぎていき……コトルに着いたのは15時30分を過ぎていました。
乗客からは不満の声が多数…散々なバス旅になりました。
バスで約4時間30分

気を取り直して、いよいよコトル旧市街へ。
石畳の道を進むと、まず目に飛び込んでくるのは、長い歴史の中でこの街を守り続けてきた砦。

旧市街の広場もいい雰囲気です。

山頂まで城壁が続いています。

小規模な教会の内部。



コトルは猫が多く住んでいる街としても知られており、筆者も滞在中にたくさんの猫たちと出会うことができました。

夜になると、旧市街は一気に静けさを増し、昼間とはまた違った表情を見せてくれます。
夜でも、危険な雰囲気はまったくなく、幻想的にライトアップされた城壁を眺めながら、のんびりと夜の散策を楽しむことができました。

コトル湾に停泊する船。
2日目

コトルを離れる前に、もう一度旧市街を散策することにしました。
せっかくなので城壁にも登ってみようかと考えたのですが、近づいてみると予想以上の急坂。
重い荷物を背負ったままではさすがに厳しいと判断し、今回は断念することにしました。

城壁のチケットブース付近でうたた寝する猫。

宿泊したホステルに居ついている猫。
行きは、空調の効かない蒸し暑いバスに揺られてかなり辛い思いをしたため、帰りは急遽タクシーを利用することにしました。
コトルからクロアチア(ドゥブロブニク)方面へのタクシー移動は一般的な手段のようで、予約サイトからスムーズに手配できました。
タクシーで2時間30分
コトル観光の注意点
コトルを訪れる際は、夏のピークシーズンの混雑を念頭に置いておきましょう。
特に大型クルーズ船が寄港する日中は、旧市街が観光客でごった返し、ゆっくり街歩きを楽しむのは難しいかもしれません。
そのため、まだ人通りの少ない早朝や、観光客が帰り始める夕方の時間帯を狙って散策するのがおすすめです。
筆者が訪れたのはピークを過ぎた9月初旬でしたが、それでも日中は混雑しており、夕方以降の方が落ち着いて散策できました。
旧市街は美しい石畳が続いていますが、その分少し歩きづらいため、履き慣れたスニーカーなど歩きやすい靴で訪れると快適です。
コトルから半日トリップ
岩礁の聖母教会と青の洞窟
コトルから車で約30分の場所に、ペラストという小さな町があります。
その町の沖合、コトル湾に浮かぶ「岩礁の聖母教会」は、船でしかアクセスできない小さな教会で、コトルからの小旅行先として人気があります。
また、この教会とあわせて、コトル湾にある「青の洞窟」を巡るツアーもあり、セットで訪れると効率が良いでしょう。
モンテネグロのコトルへ旅行するなら、まず『地球の歩き方』を読んでみましょう!
クロアチアの観光地とあわせてコトルも紹介されているので、ザックリ把握することができてとても便利です。

情報量でいうと、世界で最も売れている旅行ガイド『Lonely Planet』の右に出るものはいません。
私も旅行の日程を決めるときは必ず『Lonely Planet』を読んで決めます。

日本語版は無いのが残念ですが、問題ありません!
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Lonely Planetについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は読んでみて下さい。

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