【韓国DMZツアー】実際に行ってみた!ソウル旅行で一番心に残った一日

ソウル旅行の中で最も印象に残ったのが、「DMZ(非武装地帯)ツアー」でした。
実際に訪れてみると、韓国と北朝鮮の境目のすぐ近くまで行けるという独特の緊張感、そしてかつては同じ国だったのに、今では全く異なる国として存在しているという現実を、肉眼で実感することができました。その距離の近さと、隔てられた現状とのギャップに、何とも言えない寂しさを覚えました。
ソウルからバスでわずか1時間で、ニュースや教科書だけでは感じられない“現実”を目の当たりにすることができます。
この記事では、私が実際に参加したDMZツアーの流れと、各スポットの概要を写真とともに紹介します。
DMZツアーとは?
DMZツアーとは、韓国と北朝鮮の間にある「非武装地帯(Demilitarized Zone:DMZ)」を訪れる観光ツアーです。
1950年に勃発した朝鮮戦争は、1953年に休戦協定が結ばれました。
この休戦協定によって設けられたのが「非武装地帯(DMZ)」で、南北を隔てる約4kmの幅・全長約250kmにわたる軍事境界地帯として、韓国と北朝鮮の間に横たわっています。
DMZは一般の旅行者が自由に立ち入ることができないため、基本的に見学にはツアーへの参加が必要です。
主な見どころは以下のとおりです:
- 臨津閣(イムジンガク)公園:平和を祈るモニュメントや「自由の橋」がある公園
- 第三トンネル:北朝鮮が韓国への侵入を目的に掘ったとされる地下トンネル
- 都羅展望台:北朝鮮側の村を望遠鏡で見ることができる展望台
- 都羅山駅:南北統一への希望を象徴する鉄道駅
DMZツアーでは、戦争の歴史や南北分断の現実を肌で感じる、貴重な体験ができます。
予約方法や料金について
DMZツアーの概要は以下の通りです。
- 所要時間:6~9時間程度(早朝に出発し、14時頃にソウルへ戻るツアーが一般的)
- 料金:1人あたり約7,000円~
- 定休日:毎週月曜日
- 予約方法:Get Your GuideやVeltraなどのオンラインサイトから予約可能
- 日本語ガイド付きツアーあり
DMZツアーは複数の旅行会社が開催しており、ツアー内容や立ち寄る観光スポットは会社によって多少異なります。
そのため、ご自身が体験したい内容に合わせてツアーを選びましょう。
私は、北朝鮮がソウルへ秘密裏に進攻するために掘ったとされる「第3トンネル」を訪れたかったため、それが含まれるツアーに参加しました。
中には、北朝鮮が望めるスターバックスを訪れるツアーもあります。
実際に参加してみた:当日のスケジュールと流れ
今回私が参加したのは、「アイラブソウルツアー」というツアー会社が企画する日本語ガイド付きのツアーです。

東大門や明洞など、ソウル市内の複数の場所を周りながら参加者をピックアップしていきます。
私は朝6時半頃に東大門駅から乗車しました。
参加者の年齢層は20代から60代ほどで、一人参加の方も何人かいらっしゃいました。

綺麗なバスの車内。

道中では、日本語が堪能な韓国人ガイドさんから、朝鮮戦争の歴史やDMZ設立の背景など、興味深い話をたくさん聞くことができました。
早朝の出発でしたが、話が面白くて居眠りする暇もありませんでした。


ツアー客以外でも自由に訪れることができる、韓国最北端に位置する公園。
朝鮮戦争やその後の南北分断を象徴する場所として設立されました。
園内には、停戦時に捕虜が韓国へ帰還する際に渡った「自由の橋」や、戦争中に爆破されたまま残る鉄道橋があります。
また、公園からは南北を隔てるイムジン川やDMZを眺めることもできます。




お土産屋さんは2か所ほどあり、DMZのロゴ入りグッズや北朝鮮の紙幣・硬貨などが販売されています。
私も思わず北朝鮮の紙幣を購入しました。




軽食を販売している屋台もあります。
公園での滞在時間が長いツアーなら、ここで軽く食事をとるのもおすすめです。
2階部分には、レストランも4件ほどありました。



お土産屋さんではお菓子やパン、飲み物も売っているので、次の目的までのバス移動中に食べることもできました。


いよいよ第3トンネルへ!
入口から約15度の傾斜のある坂道を往復します。



トンネル内は撮影禁止です。
スマホも持ちこみ不可で、入場前に荷物を全てロッカーに預ける必要があります。
トンネル内を掘り進めてきた側の北朝鮮目線から見ると、ダイナマイト用の穴がトンネル内にいくるも見られるのが印象的でした。
併設のシアターでは第3トンネルに関する10分ほどの映像が上映されており、小規模ながら博物館もあります。
この展望台からは、天気が良ければ屋上にある望遠鏡で北朝鮮の村や人々の姿を確認できます。
私が訪れた日はあいにくの曇り空。
後半は少し晴れてきたため、建物や北朝鮮の旗は見えましたが、人の姿までは確認できませんでした。
北朝鮮を「近くて遠い国」と表現しますが、まさにその言葉を実感する風景でした。



数年前までは展望台での写真撮影が許可されていたそうですが、私が訪れた2025年9月時点では撮影禁止となっていました。
そのため写真はありません。


ツアーの最後に訪れたのが、統一村。
ここは北朝鮮までわずか4.5kmの距離にあり、民間人統制区域内に位置しています。
DMZで事件が発生した場合は外出禁止になることもあるそうですが、学校もあり、人々が実際に暮らしている地域です。
この地域では高麗人参や豆が生産されており、それらを使ったお茶やお菓子が観光客向けに販売されています。


お土産屋さんではお菓子やお酒、高麗人参茶などが並び、多くの観光客が思い思いにお土産を購入していました。
私は豆入りチョコレートとどら焼きを購入。



お菓子の味はごく普通ですが、統一村で購入したというのが大事。
ちなみに、豆(きなこ?)味のソフトクリームも人気があるそうです。
実際に購入してバス車内で食べている人もいました。
ツアーの解散場所は明洞でした。
明洞は観光地として有名で、電車やバスなど公共交通の便も良いため、解散後の行動がしやすいのが魅力です。
私はツアー後、明洞や徳寿宮を観光し、美味しいキムチチムを食べて最高の一日を締めくくりました。



14時頃には解散になるため、その後もソウル市内観光を楽しめるのが嬉しいポイントです。
DMZツアーに参加してみて感じたこと
ソウル市内を観光しているときには、韓国が今も「休戦中」、つまり正式にはまだ戦争が終わっていない国だということを、感じることはありません。
しかし、DMZツアーに参加して初めて、その現実を肌で感じました。
分断の歴史や、今も続く緊張感が残る現地の空気に触れることで、「観光地」としての韓国ではなく、「休戦中の国」としての韓国を知ることができた気がします。
案内をしてくれた「アイラブソウルツアー」の韓国人ガイドさんは、ご自身の経験を交えながら、DMZの成り立ちや韓国の歴史、韓国の今、そして徴兵制度の体験などについて話してくださいました。
その一つひとつの言葉がとても興味深く、ニュースや教科書では知ることのできない“生の声”として、強く印象に残りました。
特に印象的だったのは、若い世代の韓国人にとって、北朝鮮はもはや「同じ国」ではなく「まったく別の国」として認識されており、統一への意識がほとんどないという話です。
一方で、ガイドさんご本人は「停戦ではなく終戦を迎えてほしい」と強く願っていると語っていたのが、とても心に残りました。
これからDMZツアーに参加する人へのアドバイス
- パスポートは必須
ツアー中には検問所でパスポートチェックがあります。
韓国の軍人がバスに乗り込み、乗客全員のパスポートを確認します。
必ずパスポートを携帯しましょう。 - 写真撮影について
DMZツアー中には、撮影禁止のエリアがいくつかあります。
必ずガイドの指示に従いましょう。違反した場合、最悪の場合は韓国の法律で罰せられる可能性もあります。
私が参加した「アイラブソウルツアー」のガイドさんは、撮影してよい場所と禁止されている場所を明確に教えてくれたので安心でした。 - 昼食について
「アイラブソウルツアー」には、昼食や昼食休憩の時間が含まれていません。
そのため、前日の夜にコンビニなどで軽食を購入しておくか、ツアー中に立ち寄るお土産屋さんで軽食を買うことをおすすめします。
バスの車内でも飲食可能です。 - 双眼鏡について
都羅展望台に設置されている望遠鏡は台数が限られており、多くのツアー客で混み合うと、なかなか順番が回ってこない可能性があります。
滞在時間を有効に使って北朝鮮側の様子をしっかり見たい方は、マイ双眼鏡を持参すると良いでしょう。


- 第3トンネルは体力・体調に注意
第3トンネルでは、傾斜のある坂道を結構な距離歩きます。
特に帰りは上り坂になるため、人によっては負担を感じるかもしれません。
実際に過去には、体調を崩して担架で運ばれた方もいたそうで、ガイドさんから「無理しないように」と注意喚起がありました。
坂道の途中にはところどころベンチが設置されているので、適宜休憩を取りましょう。
歩きやすいスニーカーを履いて参加するのがおすすめです。
おわりに:ソウルに行くなら、ぜひDMZツアーを体験してほしい
ソウルで一番心に残った一日となったDMZツアー。
ソウルの観光地を巡る楽しさだけでは得られない、「休戦中の国」としての韓国の現実を肌で感じることができました。
もしあなたがソウルへの旅行を計画しているなら、このDMZツアーは強くおすすめしたい旅程の一つです。
ぜひ、この記事のアドバイスを参考に、DMZツアーに参加してみてください。
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