【行き方・チップ・注意点まで徹底解説】フェズのタンネリを見学しよう!
フェズ旧市街の観光地として有名なタンネリですが、タンネリの見学方法はガイドブックなどを見てもいまいちピンとこないことが多いです。
実際、私もタンネリを訪れるまで問題なく見学できるのか、いまいち分かりませんでした。
この記事では、タンネリに実際に行って分かったことをもとに、行き方やチップ・注意点などについて書いていきます。
タンネリとは
タンネリとは、伝統的な皮なめし工房のことです。
特にフェズでは16世紀より前からタンネリが運営されているそうで、長い伝統があります。
これらの工房では、古くから続く技術や手法を用いて、皮革製品の製造が行われています。
革のなめしは時間と労力のかかる作業で、現在でもその大部分が手作業で行われています。
作業工程は、以下の様になっています。
- 最初に、皮は牛尿、生石灰、水、および塩を含む混合物に浸します。
これにより、動物の脂肪と毛を除去します。 - その後、皮はハト糞が入ったタンクに入れられます。
皮を柔らかくし、色を付ける準備がされます。 - 皮が一度天日で乾燥された後、色を付けていきます。
赤はケシの花、青はインディゴ、オレンジはヘナ、茶色は杉の木、緑はミント、そして黄色はサフランという具合に、全て天然の植物を利用して皮の染色が行われています。 - 最後に、皮を周囲のバルコニーで広げて乾燥します。
これらがレザーショップで販売される製品に加工されます。
上記の作業を、タンネリを囲んで立ち並んでいるレザーショップのバルコニーから見ることができます。
フェズのタンネリの情報
アクセス
フェズで一番有名なタンネリ(Tannerie Chouara)は、フェズの旧市街にあります。
観光地が密集している場所からは少し離れた川沿いにあり、ブー・ジュルドー門から歩いて20分ほどで到着します。
タンネリが良く見える店はココ!
タンネリはレザーショップ内からしか見ることができないので、レザーショップを目指しましょう。
有名なお店は「10番」のお店です。
私が行ったのはこの「10番」でした。
店頭に客引きの人が立っていて、看板にも「N10」と大きく書いておるので、見つけやすいです。
Google mapで言うと以下の場所です。
ただし、「maps.me」というアプリの方がタンネリ付近の道は細かく表示され、その場合N10の緯度経度はGoogle mapとは微妙に異なる「34°03′58.16″N 04°58′15.67″W」の位置に登録されていました。
「N10」の位置もmaps.meの方が正しいように感じたので、実際に行かれる方はmaps.meもダウンロードしておくといいかもしれません。
私はたどり着けませんでしたが「64番」のお店も景色が良いということで有名です。
上記のN10のあるタンネリの道を北へ進んだ後、右に曲がって坂を下り、さらに2つ目の角を右に曲がるとその店に辿り着く…らしいです。
作業時間(営業時間)
作業時間は9時~12時、15時~18時頃です。
ただし、時期によって日の出・日の入り時間が変わりますし、職人さんやレザーショップ屋さんの気分次第なところもあるので、営業時間はだいたいの目安と考えてください。
どのレザーショップから見るのかにもよりますが、「10番」の場合は写真撮影の際の太陽の位置を考えると午前中の方がいいように思いました。
また、染色作業するのも午前中が多いので、色々な色にあふれたタンネリを観るという点でも午前中をおすすめします。
実際に行ってみた
タンネリまでは、Google mapの位置情報を頼りにホテルから歩いて向かいます。
旧市街は道が入り組んでいるので、川沿いをのんびりと歩きます。
しばらくすると、ふんわりとタンネリっぽい独特な臭いがしてきました。
ちなみにここにたどり着くまでに、すでに5人ほどの客引きを振り払っています。
最終的には、maps.meアプリを頼りに、目的のレザーショップ「10番」にたどり着きました。
店の前にはお兄さんが立っていて、タンネリはココから見えるよ!と呼び込みしていました。
そのまま店に入っていくと、案内人のおじいさんが登場。
このおじいさんが、私たちをアテンドするとのこと。
皮製品の臭いがたちこめる店の中の階段をどんどん登っていきます。
ベランダに着くとすぐ、ミントの葉をおじいさんからもらいました。
タンネリの臭いはそこそこ。
臭いといえば臭いけど、がまんできない臭いではない…
眼下では、皮を染める作業が行われています。
おじいさんが、分かりやすい英語でタンネリの作業や、染色する際に使う植物の説明をしてくれました。
ベランダには、猫の多いモロッコらしく、猫がのんびりとくつろいでいました。
ベランダからレザーショップに戻ると、おじいさんの商売トークが始まりました。
もともとバブーシュ(モロッコの伝統的な革製スリッパ)は欲しかったので話を聞くことに。
しかし、とりあえず高そうなレザージャケットをガンガンすすめてくるおじいさん…
絶対に何か買わせる!という気概がみえます…
最終的にバブーシューを買おうとしたのですが、クレジットカードが決済できず…
そのため、おじさんにチップを渡して帰ろうとしたところ、納得できなかったらしく、なぜか向かいのアルガンオイルに連れていかれることに。
その後、「クレカが使えないから何も買えない!!」「現金持ってない!!」を連呼して、やっとあきらめてもらえました。
しかしそれでも、追いかけてきそうな勢いだったのでタンネリから早足で逃げました。
上の写真は、逃げた道の先にいたロバです。
感想
疲れた…というのが正直な感想です。
タンネリにたどり着くまでに、たくさんの客引きから逃れ、迷宮都市フェズをさまよって目的のレザーショップを探し、そこそこ臭いタンネリを見学し、レザーショップの押し売りを振り切る…想像していた以上に体力と神経がすり減りました。
また、見学後はしつこいセールストークにあうのでタンネリ見学にはかなりの時間がかかりました。
レザーショップおじさんの押し売りを振り切るのは、本当に、大変でした。
ただ、間違いなく他の観光地では体験することのできないものでしたし、フェズの名所になっている理由もわかります。
あと、タンネリは言われているほどは臭くなかったです!
見学していた際の風向きも関係しているかもしれませんが…
少なくとも、ミントの葉が必須というほどの臭いではなかったです。
なので、タンネリの臭い問題で行くかどうか迷っている方がいるなら、行ってみることをオススメします。
自力でタンネリに行く場合の注意点
客引きにはついていかない
客引きは犯罪をするような極悪人ではないので、財布に余裕があれば客引きについていっても問題はないです。
ただ、ほぼほぼ確実に後からチップ問題が発生します。
例えば、「お金はいらないよ!ただで案内するよ!」みたいなことを言ってきた場合でも、最後には「ここまで案内したのに!チップなし??」という具合でもめます。
チップを渡した場合でも、かなり高額なチップを渡さない限り、チップ少ないということでもめます。
客引きに案内されてタンネリを見学した後、そのレザーショップで皮製品を購入する際には、さらに注意が必要です。
なぜなら、購入した商品の価格には客引きの取り分が上乗せされていることがあり、そのまま購入してしまうと、余分なマージンを支払うことになってしまいます。
タンネリ見学のお礼にチップをわたすか、商品を買う必要がある
タンネリ見学が終わると、ここからが本番とでもいうように店員さんが、革製品を紹介し始めます。
気に入った革製品があれば購入します。
それが、タンネリの見学代替わりになります。
皮製品の種類は、レザージャケットやカバン、バブーシュなどなど様々なものがあるので、フェズの皮製品を購入したい場合はここで探してみるのもいいでしょう。
一方、皮製品を購入しない場合は、タンネリを見せてもらったお礼にチップを渡すことが推奨されています。
相場は10~50DHです。
私は2人グループで見学したので、20DH渡しました。
個人で行くか、ツアー、どちらがオススメか
フェズの街を自力で探索するのはとても楽しいです。
タンネリも自分で探して、見学して…楽しかったは楽しかったし、いい思い出ではあります。
しかし、私がもう一度タンネリを訪れるなら、絶対に以下のようなツアーを選択します。
ちなみに、宿泊したリヤドの人にも「タンネリはツアーの方が良いと思うよ」と言われました。
言われた時は、いやいや!ツアーなんて邪道でしょ!と思っていたんですけどね…
以下が、タンネリに自力で行くかツアーで行くかどちらがオススメかまとめたリストです。
参考にしてください。
自力でタンネリに行くべき人
- 時間に余裕がある
- フェズならではの体験をしたい人
- 人の面倒くさい絡みも楽しめる人
- ドキドキ・ハラハラ感を味わいたい
ツアーでタンネリに行くべき人
- 時間に限りがある
- 効率的に観光名所を回りたい
- フェズの客引きが怖い・ウザイなどでからまれたくない
- ガイドさんに守られながら、ゆったり見学したい
- タンネリの説明をしっかり聞きたい
おわりに
以上がフェズにあるタンネリの見学体験談でした。
タンネリは自力で行こうが、ツアーで行こうが、きっと思い出に残る観光地だと思います。
フェズを訪れた際は、是非行ってみて下さい!
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