【個人手配で行くベルギー】ゲントの魅力を徹底解剖!実際の観光ルートや所要時間を公開
ブリュッセルから電車で約30分の場所にあるゲント。
ブリュッセルやブルージュに比べると知名度は低いかもしれませんが、訪れる価値のある素敵な街です。
本記事ではゲントの魅力を徹底解剖し、筆者が実際に観光したルートや所要時間について詳しく紹介します。
ベルギー旅行を計画中の方やゲントに興味がある方は、ぜひご覧ください。
ゲントとは
ゲント(Gent)は東フランドル州の州都です。
英語表記でGentと記載され、日本語ではゲントやヘントと呼ばれています。
ゲントの中心に流れるレイエ川沿いには『コーンレイ』『グラスレイ』と呼ばれるギルドハウスが立ち並び、当時貿易で栄えたこの街の歴史をうかがい知ることができます。
ゲントの観光に必要な日数
ゲントはコンパクトな街なので、半日~1日あれば主要な観光名所を回ることができます。
観光名所をテンポよく見学するだけなら半日で十分ですが、もう少し時間をかけて必見の聖バーフ大聖堂にあるヤン・ファン・アイク『神秘の子羊』をじっくり見たり、おいしいチョコレート屋さんを訪れたり、運河の周りを散歩したり運河クルーズに参加したり…ゲントの雰囲気を1日かけてじっくり体験するのがオススメの過ごし方です。
実際に観光してみた:ゲント観光のスケジュール
ヨーロッパの中世のお城を見ることができます。
内部の装飾はほとんどなく、石造りの壁ばかりですが、ゲントが昔から重要な場所であったことをうかがい知ることができます。
フランドル伯居城の見学が終わったら、出入り口の目の前にある『旧魚市場』を合わせて観光しておきます。
続いて、コーレンレイやグラスレイを散策します。
ゲントの郷土菓子『キュベルドン』を売っているお菓子屋さんがいくつかあるので、寄り道します。
その後は、歴史ある郵便局の建物を改装して造られたショッピングセンター『De post』でおしゃれな雑貨を探したり、ゲントの美味しいチョコレート屋さんを巡ります。
ゲントの観光スポットおすすめランキング
おすすめ度★★★
- フランドル伯居城
みんなが思い浮かべるような『The 中世のお城』です。
城の内部は、当時の様子を残すものはほとんどありませんが、石造りの立派な城は圧巻です。
音声ガイドは日本語はないのですが、とても凝っているので英語等がわかる方はぜひ時間をかけて聞いてみてください。 - 聖バーフ大聖堂
ヤン・ファン・アイク『神秘の子羊』を見ることができます。
この絵画の持つ歴史や背景、意図などをARと音声ガイドでとても分かりやすく知ることができ、一見の価値があります。
おすすめ度★★
- コーレンレイ、グラスレイ、クラーンレイ
レイエ川沿いに建つギルドハウスは、ゲントの繁栄を現代に伝えてくれます。 - ゲントの鐘楼
『ベルギーとフランスの鐘楼群』として世界遺産に登録された鐘楼は、ゲントの街を象徴する建物の一つ。
街の散策ついでに訪れたいですね。
おすすめ度★
- 聖ニコラス教会
聖バーフ大聖堂と比べると有名ではないですが、もとは12世紀に建築され、ゲントの街をずっと見守ってきたバロック様式の立派な教会です。 - ヘント市庁舎
15世紀から18世紀と長い期間をかけて建設されたため、建築様式の変遷を一つの建物で見ることができ、面白い場所です。 - 大肉市場
中世に使用されていた屋内の肉市場ですが、2024年現在は改修中のため、あまり見るところはありません。 - 旧魚市場
17世紀に建てられた門が印象的。
わざわざ訪れるほどの規模ではないですが、フランドル伯居城のすぐ隣にある聖ヴェーレ広場にあるので、ついでに立ち寄るくらいがオススメです。 - ベギン会修道院
ヘント中心部から少し離れた場所に位置するので、時間に余裕があれば訪れましょう。
修道女たちが暮らす家々を眺めつつ散策するだけなので、興味のない人には退屈な場所かもしれません。
ゲントの観光地一覧
フランドル伯居城
フランドル地方にある城の中で唯一堀が残っている城で、12世紀当時は軍事要塞の側面も持っていました。
伯爵の部屋や門番所、厩舎などがあり、地下の拷問が行われた部屋には拷問器具が展示されているなど、中世の雰囲気を感じることができます。
所要時間
所要時間は1時間~2時間です。
注意点
チケットには音声ガイドが含まれていますが日本語版はありません。
また、音声ガイドはかなり力が入っており(現地の有名なコメディアンがナレータを担当)、全部聞くとかなり時間がかかるので注意しましょう。
音声ガイドではこの城とは直接関係のない内容についてもユーモアを交えて説明していたので、筆者は途中途中飛ばしながら解説を聞いていました。
フランドル伯居城(Gravensteen)
- 住所:Sint-Veerleplein 11, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:10時00分~18時00分
- 12月24・25・31日、1月1日は休業
- 入場料:13ユーロ
聖バーフ大聖堂
10世紀と12世紀に建築された2つの教会を、15~16世紀に豪華なゴシック様式の教会に改築してできたのが、この聖バーフ教会です。
白、黒、赤など様々な色の大理石で飾られたバロック様式の主祭壇や、ロココ様式の説教壇、ステンドグラスなどがある美しい教会ですが、大聖堂が所有する絵画も必見です。
聖バーフ大聖堂が所有する絵画のうち必見のものは以下の通りです。
- ルーベンス『聖バーフの修道院入門』
- ヨース・ヴァン・ワッセンボブの『キリスト磔刑』
- ファン・エイク兄弟『神秘の子羊』
所要時間
無料で公開されている教会部分のみの見学であれば、30分~1時間あれば十分です。
『神秘の子羊』を見学する場合は、全部で2時間ほどの時間をみておきましょう。
注意点
『神秘の子羊』を鑑賞する場合は、別途チケットを購入する必要があります。
非常に人気があり、直前になるとチケットの売り切れも発生するため予約必須です。
事前チケットが売切れていた場合は、予約しなくても並べば当日入場できる可能性もあります。
ただし、私が行った際は、当日入場待ちの方が15人ほど並んでいましたが、予約入場優先であまり列は進んでいなかったので、事前に予約しておくのが無難でしょう。
チケットの詳細は以下の通りです。
- Standard(スタンダード)…16ユーロ
一番基本のツアーです。迷ったらこのツアーを選択しておけば間違いありません。
ツアーは『40分コース』か『60分コース』時間を選択します。
『60分コース』では、短いコースに加えて4つの解説を聞くことができます。 - Kids(子ども向け)…16ユーロ(12歳以下は8ユーロ)
解説は6~10歳ごろの子どもが分かるくらいの分かりやすいものになっています。
対応言語はドイツ語、フランス語、英語のみなので注意。 - Master of detail(より詳しく知りたい人向け)…16ユーロ
スタンダードコースよりも専門的な解説が聞きたい方向けのコースです。
ツアーは『40分コース』か『60分コース』時間を選択します。 - Lam Gods Only(『神秘の羊』のみ見学、AR解説なし)…12.5ユーロ
解説なしで、実物のみ見学するコース
公式サイトには、『神秘の羊』の見学時間が『20分』と記載されていますが、実際には特に時間制限はなく、自分のペースでじっくり見ることができます。
AR解説付きのツアーを選択すると、まず教会の地下部分でゴーグルを利用したAR解説を体験し、その後『神秘の羊』が飾られている場所に移動して実物を見学するという流れになります。
AR解説は40分コースの場合は20分、60分コースの場合は40分かかるので、教会見学の所要時間の目安にしてください。
ちなみにAR解説は日本語版もあり、『神秘の羊』という絵画がどういう経緯で描かれたのか、どのような意味がある絵画なのかといった内容や、『神秘の羊』がたどってきた歴史を見ることができます。
私は実際に体験しましたが、1つの作品について、ここまで詳しく解説を聞いたことが無かったのでとても勉強になりました。
この解説を聞いていると、実物の『神秘の羊』を観たときの印象も変わるので、是非体験してみて下さい。
聖バーフ大聖堂(Sint-Baafskathedraal)
- 住所:Sint-Baafsplein 1, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:月~土曜 8時30分~17時00分、日曜 13時00分~17時30分
- 入場料:無料
『神秘の子羊』を鑑賞する場合は別途入場料が必要(12.5ユーロ~)
聖ニコラス教会
聖ニコラス教会は13世紀に建てられた教会で、ゲントの商人や商人たちが集う場所でした。
主祭壇に飾られた絵画は、ルーベンスが称賛した17世紀の画家ニコラス・デ・リーマッカーのものです。
所要時間聖
所要時間は30分~1時間です。
聖ニコラス教会(Sint-Niklaaskerk)
- 住所:Cataloniëstraat, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:10時00分~16時00分
- 入場料:無料
ゲントの鐘楼
世界遺産に指定されているゲントの鐘楼は、この街を見渡すのにうってつけの場所です。
実際1442年~19世紀中ごろまで、この鐘楼から街を眺めて火災などの災害の発生を監視する目的で使用されていました。
ゲントを守る市民の自治の象徴として、ゲント観光では外せない観光地の一つです。
所要時間
所要時間は1時間~1時間30分です。
注意点
ヨーロッパに多くある鐘楼は階段のみをひたすら登らないといけないものが多いのですが、ゲントの鐘楼には階段だけでなくエレベータがあります。
体力に自信がない方はエレベータを使いましょう。
公式サイトではチケットの予約が推奨されていますが、私が行った際は当日購入も可能でした。
絶対に鐘楼に登りたい方は念のため、予約していきましょう。
ゲントの鐘楼(Het Belfort van Gent)
- 住所:Sint-Baafsplein, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:
10時00分~18時00分
夏季(7・8月) 10時00分~20時00分 - 入場料:11ユーロ
ゲント市庁舎
15世紀~18世紀という長い時間をかけて建設されたこの建物は、場所によってゴシック様式、バロック様式、ルネッサンス様式…といった具合で様々な時代の建築が融合している変わった建物です。
内部を詳しく見たい場合は、ガイドツアーに参加するしかありませんが、時間が合えば是非見てみて下さい。
所要時間
所要時間は30分です。
ガイドツアーに申し込んだ場合は、そのツアーによります。
注意点
フランドル観光局から認証を受けたガイドによるツアーに参加することで、一般に公開されていない内部を見学することができます。
ただし、ツアーは毎日開催されているわけではないので注意してください。
ゲント市庁舎(Stadhuis Gent)
- 住所:Botermarkt 1, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:月~金曜 8時00分~17時00分、土日定休
- 入場料:無料
- ガイドツアーは別途料金10ユーロが必要
コーレンレイ、グラスレイ、クラーンレイ
ゲントが最も反映した時代に建てられた家を中心とした建物が並んでいる風景が印象的です。
コーンレイはレイエ川の西側にあり、中世の倉庫や商人の家が立ち並ぶエリアで、歴史的な建物が多く残っています。
カフェやレストランがあり、テラス席で川を眺めながら食事するのもいいでしょう。
グラスレイはコーンレイの対岸にあり、保存状態の良いギルドハウス(職業組合の家屋)が並んでいます。
コーンレイやグラスレイから少し離れた場所にあるのが、クラーンレイ。
ここは、石畳の通りになっており、より旧市街の雰囲気を楽しむことができるのでおすすめです。
所要時間
ただ歩くだけなら15~30分ほどあればコーンレイとグラスレイ、クラーンレイを周ることができます。
川沿いには興味深い建物や色々なショップがあるので、それらを見ながら歩くのであれば1時間ほど見ておくとよいでしょう。
コーレンレイ、グラスレイ、クラーンレイ(Korenlei,Graslei,Kraanlei)
- 住所:Korenlei, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:24時間
- 入場料:無料
大肉市場
中世には一般家庭で肉を販売することが禁じられていたため、15世紀に建てられたこのホールで、肉の取引が行われていました。
2024年現在は改装中で内部を見ることはできません。
所要時間
所要時間は15分です。
注意点
2024年現在は改修工事が行われており、内部を見ることができません。
また、私が行った際は外部も多少おおわれており、わざわざ訪れるような雰囲気ではありませんでした。
大肉市場(Groot Vleeshuis)
- 住所:Groentenmarkt 7, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:休業のため内部観覧不可
旧魚市場
旧魚市場は、リーヴェ運河とレイエ川の合流地点にあります。
ゲントで最も古い市場のひとつで、中世後期から 1960 年代までここで魚が売られていました。
現在見ることのできる旧魚市場の門は17世紀に移転した際に造られたもので、当時の様子をうかがい知ることができます。
所要時間
所要時間は15分です。
注意点
内部は現在、貸し会議室やイベント会場として使用できる複合施設や、Visit Gentインフォメーションオフィスという名前の観光案内所が内部にあります。
ゲントの観光に困ったらここを訪れてみてもいいでしょう。
旧魚市場(Feestzaal Oude Vismijn)
- 住所:Rekelingestraat 5, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:24時間
- 入口の門のみ見学可能。
内部はイベント会場としてのみ利用可能で、観光のために訪れることはできません。
- 入口の門のみ見学可能。
- 入場料:無料
ベギン会修道院
ベギン会修道院は13世紀に誕生し、女性だけで自立した敬虔な生活を送るために造られた組織です。
女性たちが住む家は教会の近くに建てられることが多く、1つまたは複数の入り口のある壁に囲まれており、そこで静かに生活を送っていました。
20世紀以降女性の社会進出が活発になるにつれて、ベキン会は衰退していきます。
現在ではゲントには3つのベギン会修道院があり、そのうち小ベギン会修道院と大ベギン会修道院の2つは世界遺産に登録されています。
- 聖エリザベート・ベギン会修道院(旧ベギン会修道院)
英国国教会と正教会、プロテスタントという3つの異なる教会があるため、宗教的に寛容な場である『聖地』として知られています。 - 小ベギン会修道院
小ベギン会院は1235年にフランドル伯爵夫人が聖エリザベート・ベギン会修道院をモデルに設立しました。
フランス革命以前のベギン会修道院の中で最も保存状態が良いので、散策にオススメです。 - 大ベギン会修道院
1873年~74年に建てられたこの修道院は、ゲントの街のすぐ外側のシント・アマンズベルグ地区にあるとても大きな修道院です。
かつてはここに600 人のベギン会修道女が住んでいました。
聖エリザベート・ベギン会修道院(Oud Begijnhof Sint-Elisabeth)
- 住所:Begijnhofdries 28, 9000 Gent Google Mapで開く
小ベギン会修道院(Klein Begijnhof in Gent, Onze-Lieve-Vrouw Ter Hoyen)
- 住所:Lange Violettestraat 77-273, 9000 Gent Google Mapで開く
- 営業時間:6時30分~22時00分
- 入場料:無料
大ベギン会修道院(Groot Begijnhof Sint-Elisabeth)
- 住所:Groot Begijnhof 67, 9040 Gent Google Mapで開く
ゲント観光のポイント
『神秘の羊』は予約必須
聖バーフ大聖堂にある『神秘の羊』は必ず予約していきましょう。
日時指定のチケットなので、予約できた時間に合わせて他の予定を組んでいくのがオススメです。
レイエ川沿いを散策し、街の雰囲気を楽しもう
ゲントはベルギーにある街の中でも雰囲気が良いです。
この街の魅力を存分に楽しみたいなら、レイエ川沿いのコーレンレイ、グラスレイなどの家々を眺めつつのんびり歩くのが一番です。
ゆっくり散策ができるように、余裕を持った旅程を組みましょう。
郷土菓子やチョコレートなど美味しい物の宝庫
ゲントの街には、チョコレート王国ベルギーの中でも特に美味しいチョコレート屋さんがいくつもあります。
また、郷土菓子『キュベルドン』を販売する昔ながらのお菓子屋さんもあり、それらのお店でお菓子を買って、ベンチで食べるのも一興です。
ベルギー旅行に行くなら、まず『地球の歩き方』を読んでみましょう!
ベルギーの観光地についてザックリ把握することができてとても便利です。
情報量でいうと、世界で最も売れている旅行ガイド『Lonely Planet』の右に出るものはいません。
私も旅行の日程を決めるときは必ず『Lonely Planet』を読んで決めます。
日本語版は無いのが残念ですが、問題ありません!
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Lonely Planetについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は読んでみて下さい。
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