実際に行ってわかった!ウィーンの観光スポット徹底ガイド【所要時間・注意点も解説】
オーストリアの首都ウィーンは、中世から近代にかけて中央ヨーロッパを支配していたハプスブルク家のもとで、ウィーン帝国の首都として栄えました。
このため、ウィーンにはハプスブルク家が残した数多くの歴史的遺産が残されており、世界中の観光客を惹きつけています。
またモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどの偉大な音楽家が活躍した場所でもあり、この都市で19世紀から続くカフェ文化は無形文化遺産に登録されるほどの重要性を持っています。
中央ヨーロッパを支配し、神聖ローマ帝国の皇帝として長年君臨したハプスブルク家の影響は、今なおドイツやチェコ、ハンガリーなどの中欧だけでなく、スペインやイタリアを含む西欧の各地にも残っています。
そのため、ヨーロッパ旅行が好きな方や興味のある方は、ウィーンにぜひ早めに訪れることをおすすめしたいです。
今回の記事では、筆者が実際に訪れた経験をもとに、ウィーンの観光スポットの解説や観光する際の注意点、所要時間を紹介します。
ウィーンで外せない観光スポット6選:おすすめ度★3
ホーフブルグ王宮
13世紀に要塞として建てられ、1918年のカール1世によるオーストリア王政の崩壊まで、6世紀以上にわたってハプスブルク家の皇帝の居城として機能していました。
現在では、ハプスブルク家の歴史と威光を知ることができる博物館として利用されるとともに、オーストリア大統領の公邸としても使用されています。
旧王宮ではハプスブルク家の皇帝たちが過ごした部屋を見学することができます。
また、ナポレオン戦争後の戦後処理について各国首脳が話し合った『ウィーン会議』が行われた部屋も見学可能です。
シシィ博物館では、シシィが使用していた部屋や愛用の品々を通じて、彼女の生涯に触れることができます。
隣接する銀器コレクションは、24年11月現在改修のためクローズしています。
それぞれの博物館への入口は、すべてGoogle Mapsに登録されているシシィ博物館の位置に集約されています。
また、ホーフブルク王宮の敷地内には、スペイン乗馬学校、オーストリア国立図書館、宝物館など、他にも見どころがあります。
時間に余裕があれば、これらも訪れてみると良いでしょう。
主なチケットの種類
- Day ticket Sisi Museum
旧王宮とシシィ博物館の共通券。19.5ユーロ - Sisi Ticket(シシィチケット)
旧王宮とシシィ博物館に加えて、シェーンブルン宮殿のグランドツアーチケット(40部屋見学可能)、王宮家具博物館の3か所を巡ることができます。49ユーロ
シシィチケットがお得でオススメです。
所要時間
旧王宮とシシィ博物館を合わせて2時間程度。
注意点
特にハイシーズンは混雑するため、事前に公式サイトから日時指定チケットを購入することをオススメします。
ホーフブルグ王宮(Hofburg)、シシィ博物館(Sisi Museum Hofburg Wien)
- 住所:Michaelerkuppel, 1010 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:9時00分~17時30分(シシィ博物館は17時まで)
シェーンブルン宮殿
マリア・テレジア以降、ハプスブルク家の歴代君主が夏の離宮として愛用した宮殿です。
その歴史的価値から世界遺産に登録されています。
日本語の音声ガイドを聞きながら、フランツ・ヨーゼフ1世や皇后エリザベート(シシィ)など、ハプスブルク家の人々が実際に使っていた部屋を見学できます。
隣接する広大な庭園には、小高い丘の上のグロリエッテや迷路庭園など、様々な見どころが点在しています。
主なチケットの種類
- Imperial Tour(インペリアルツアー)
22部屋を見学できるチケット。27ユーロ。 - Grand Tour(グランドツアー)
宮殿内で公開されている40部屋全てを見学できるチケット。32ユーロ。 - Sisi Ticket(シシィチケット)
シェーンブルン宮殿のグランドツアーチケット(40部屋見学可能)に加えて、ホーフブルグ王宮(旧王宮、シシィ博物館)、王宮家具博物館の3か所を巡ることができます。49ユーロ。
シシィチケットがお得でオススメです。
所要時間
インペリアルツアーは40分程度、グランドツアーは1時間程度です。
庭園も散策する場合は、追加で少なくとも2時間を見ておくと良いでしょう。
オーディオガイドについて
いずれのチケットにも日本語オーディオガイドの利用料が含まれています。
各部屋の説明を聞きながら見学できるので、歴史に詳しくなくても十分楽しめます。
注意点
特にハイシーズンは混雑するため、事前に公式サイトから日時指定チケットを購入することをオススメします。
庭園内のグロリエッテ、迷路庭園、動物園などは、それぞれ別途入場料が必要です。
シェーンブルン宮殿(Schloss Schönbrunn)
- 住所:Schönbrunner Schloßstraße 47, 1130 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:
夏季(2024年4月02日~11月03日) 8時30分~17時30分
冬季(2024年11月04日~25年3月31日) 8時30分~17時00分 - 入場料:
インペリアルツアー…27ユーロ
グランドツアー…32ユーロ
シュテファン大聖堂
シュテファン大聖堂は12世紀にロマネスク様式の教会として建設が始まりました。
その後、ハプスブルク家のルドルフ4世の命により、ゴシック様式を取り入れた大規模な改修が行われ、現在の姿となりました。
鷲が描かれた特徴的な屋根や、高さ136mの南塔から望むウィーンの街並みの眺望が見どころです。
所要時間
教会内部の見学に約45分、塔にも登る場合は追加で約30分。
注意点
チケットは現地で現金のみで購入することができます。
現在、カードでの支払いは対応していません。
教会の入口付近は無料で見学できますが、奥まで進む場合はチケットの購入が必要です。
南塔に登るにはエレベーターはなく、343段の階段を上る必要があります。
シュテファン大聖堂(Domkirche St. Stephan)
- 住所:Stephansplatz 3, 1010 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:月~土 09時00分~11時30分、13時00分~16時30分
日祝 13時00分~16時30分 - 入場料:教会の有料ゾーンに入る場合、7ユーロ
南塔に登る場合、6.5ユーロ
ベルヴェデーレ宮殿
18世紀初頭、ハプスブルク家に仕えたプリンツ・オイゲンの夏の別荘として建設された宮殿です。
庭園を挟んで、上宮と下宮に分かれています。
南側に位置する上宮では19世紀以降のオーストリア絵画が展示されており、特に『接吻』や『ユディト』『アダムとイブ』などのクリムトの作品群は必見です。
フランスの古典様式で整えられた庭園には、噴水や彫刻が配置されており、シュテファン大聖堂をはじめとするウィーンの街並みを一望することができます。
北側に位置する下宮でも絵画などが展示されていますが、上宮と比べると見劣りするため、上宮と庭園を訪れるだけでも十分楽しめるでしょう。
所要時間
上宮と庭園を合わせて、3時間程度。
注意点
事前に公式サイトで日時指定チケットを購入しておくことをオススメします。
現地で購入するよりも、オンラインの方が安くチケットを購入できます。
Smartifyというアプリを利用したオーディオガイドを5ユーロで購入することができますが、日本語には対応していません。
ベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)
- 住所:Prinz-Eugen-Straße 27, 1030 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:
上宮 9時00分~18時00分
下宮 10時00分~18時00分
Belvedere21 火~日曜 11時00分~18時00分(木曜のみ21時まで営業)、月曜定休 - 入場料(オンライン購入の場合):
上宮 17.5ユーロ、下宮 14.6ユーロ、Belvedere21 9.3ユーロ
上宮+下宮…25.9ユーロ、上宮+下宮+Belvedere21…28.2ユーロ
美術史美術館
美術史美術館はハプスブルク家が所有していたコレクションをもとにオープンした美術館です。
ここでは、ヨーロッパを代表する名画の数々に加え、古代エジプトやオリエント、さらには古代ローマ・ギリシャ時代の貴重な遺物も展示されています。
- 『若いヴェネツィアの女性の肖像』by デューラー
- 『一万人のキリスト教徒の殉教』by デューラー
- 『聖フランシスコ・ザビエルの奇蹟』by ルーベンス
- 『聖イルデフォンソ祭壇画』by ルーベンス
- 『ニンフと羊飼い』by ティツィアーノ
- 『スザンナと長老たち』by ティツィアーノ
- 『牧場の聖母』by ラファエロ
- 『青いドレスのマルガリータ王女』by ベラスケス
所要時間
2時間~4時間程度。
時間が限られている場合は、2時間程度をかけて絵画コレクションを中心に鑑賞しましょう。
筆者は約3時間滞在しましたが、少し早足ではあったものの、一通りすべてのコレクションを鑑賞することができました。
4時間あれば、じっくりと時間をかけてすべてのコレクションを鑑賞できると思います。
注意点
ハイシーズンに訪れる場合は、事前にチケットを購入しておくことをオススメします。
美術史美術館(Kunsthistorisches Museum Wien)
- 住所:Maria-Theresien-Platz, 1010 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:火~日曜 10時00分~18時00分、木曜 10時00分~21時00分
※6月-8月及び10月15日‐1月19日の期間中は月曜日も開館 - 入場料:21ユーロ
自然史博物館
恐竜の化石や隕石、鉱物、動物標本など、自然史に関する広範なコレクションが展示されています。
マリア・テレジアが皇帝フランツ1世に贈った宝石の花束や恐竜の化石、数々の隕石のコレクションなどは必見です。
所要時間
2時間~4時間程度。
早足であれば2時間程度でも一通りコレクションを見ることは可能です。
ただし、解説をしっかり読んだりしながらじっくりと展示物を見たい場合は、3~4時間かかると思います。
注意点
ハイシーズンに訪れる場合は、事前に公式サイトでチケットを購入しておくことをオススメします。
自然史博物館(Naturhistorisches Museum Wien)
- 住所:Burgring 7, 1010 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:木~月曜 9時00分~18時00分、水曜 9:00~20:00、火曜定休
- 入場料:18ユーロ
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プラーター公園
もともとこの場所は皇室の狩猟場として利用されていましたが、1766年に皇帝ヨーゼフ2世が一般公開し、公共の公園となりました。
公園内にある遊園地は世界的に有名で、多くの観光客が訪れます。
特に、1897年に建設された世界最古の大観覧車は、ウィーンのシンボルとして広く知られており、映画『第三の男』に登場することでも有名です。
プラーター公園(Prater)
- 住所:1020 Vienna Google Mapで開く
- 営業時間:アトラクションの一部は、11月1日から3月14日まで冬季休業となります。
大観覧車は、夏季・冬季を問わず営業しています。 - 入場料:入場は無料。アトラクションごとに別途料金がかかります。
大観覧車は14ユーロ
ウィーン国立歌劇場
世界的に有名な歌劇場のひとつで、オペラやバレエを観劇するだけでなく、ガイドツアーに参加して歴史ある歌劇場の内部を見学することもできます。
コンサートに参加したい場合は、公式サイトでチケットを購入したり、こちらのようなツアーに参加することもできます。
所要時間
ガイドツアーは40分。
公式HPから予約することができます。
ウィーン国立歌劇場(Wiener Staatsoper)
- 住所:Opernring 2, 1010 Wien Google Mapで開く
- 入場料:ガイドツアーは15ユーロ
アルベルティーナ
かつてのハプスブルク家の宮殿の一部を利用した美術館で、デューラー、モネ、ルノワール、ピカソなどの作品が展示されています。
所要時間
2~3時間。
アルベルティーナ(Albertina)
- 住所:Albertinapl. 1, 1010 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:10時00分~18時00分、水・金は10時00分~21時00分
- 入場料:19ユーロ
カプツィーナー霊廟
カプツィーナー教会の地下にあるこの納骨堂には12人の皇帝と19人の皇后を含む149人のハプスブルク家の人たちが眠っています。
特にマリア・テレジアやエリザベート(シシィ)の墓は見逃せません。
こちらのサイトから事前にチケットを購入することができます。
所要時間
40分程度。
カプツィーナー霊廟(Kapuzinergruft)
- 住所:Tegetthoffstraße 2, 1010 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:毎日 10時00分~18時00分
※クリスマスなどは営業時間が異なるので、公式サイトで要確認
※2025年1月13日~24日まではメンテナンスのため休業 - 入場料:8.5ユーロ
アウグスティーナ教会
14世紀に建てられ、1634年から1918年までハプスブルク家の宮廷教会として使用されました。
多くのハプスブルク家の皇族がここで結婚式を挙げたことで知られています。
また、地下には54人分のハプスブルク家の皇族の心臓が安置されています。
所要時間
30分程度。
注意点
ミサやその他の行事が行われている際は、見学できません。
事前に公式サイトでスケジュールを確認しておきましょう。
アウグスティーナ教会(Augustinerkirche)
- 住所:Augustinerstraße 3, 1010 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:
土・日 09時00分~19時00分
月・水・金 08時00分~18時00分
火・木 08時00分~19時00分 - 入場料:無料
カールス教会
神聖ローマ皇帝カール6世がペストの流行が収まったことに感謝し、1716年から1739年にかけて建設された教会です。
ドームと、その両脇に建つローマのトラヤヌス帝記念柱を模倣した2本の巨大な柱が特徴的です。
こちらのサイトから事前にチケットを購入することができます。
所要時間
1時間程度。
カールス教会(Karlskirche)
- 住所:Karlskirche, Karlsplatz 10, 1040 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:月~金曜 07時30分~18時00分、土曜 08時30分~18時00分、日曜 10時00~19時00分
- 入場料:9.5ユーロ
フンデルトヴァッサーハウス
オーストリアの画家であり建築家でもあるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが設計した独特な集合住宅です。
建築好きには一見の価値があります。
通りを挟んで向かいにあるフンデルトヴァッサー・ヴィレッジでは、ユニークな建物の中でショッピングや食事を楽しむことができます。
所要時間
外観を見るだけであれば20分程度。
フンデルトヴァッサー・ヴィレッジで買い物をしたりする場合は、追加で1時間はかかると思います。
フンデルトヴァッサーハウス(Hundertwasserhaus)
- 住所:Kegelgasse 36-38, 1030 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:09時00分~18時00分
- 入場料:無料
クンストハウスウィーン
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが設計した美術館で、内部には彼の絵画などの作品が展示されています。
こちらのサイトから事前にチケットを購入することができます。
所要時間
1時間程度。
クンストハウスウィーン(Kunst Haus Wien)
- 住所:Untere Weißgerberstraße 13, 1030 Wien Google Mapで開く
- 営業時間:毎日 10時00分~18時00分
- 入場料:15ユーロ
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ドナウタワー
ドナウ公園内に位置する、高さ252メートルのタワーです。
展望台からパノラマビューを楽しんだり、上空でゆっくりと回転するレストランで食事を楽しむことができます。
こちらのサイトから事前にチケットを購入することができます。
ドナウタワー(Donauturm)
- 住所:Donauturmplatz 1, 1220 WienGoogle Mapで開く
- 営業時間:10時00分~22時00分
日によって営業時間が異なるため公式サイトを確認ください。 - 入場料:18ユーロ
ヴォティーフ教会
1853年、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が暗殺の危機を奇跡的に逃れたことを受け、弟のマクシミリアン大公が神への感謝の意を込めて建てた教会です。
所要時間
45分程度。
ヴォティーフ教会(Votivkirche)
- 住所:Rooseveltplatz, 1090 WienGoogle Mapで開く
- 営業時間:火~金 10時00分~18時00分、土曜 11時00分~19時00分、日曜 09時00分~13時00分
- 入場料:無料
分離派会館(セセッシオン)
分離派と呼ばれる芸術家たちによって設立された会館です。
『ベートーヴェン・フリーズ』をはじめ、分離派を代表するクリムトの作品などを鑑賞できます。
クリムトファンにはぜひ訪れてほしいスポットです。
所要時間
1時間程度。
分離派会館(セセッシオン)(Secession)
- 住所:Friedrichstraße 12, 1010 WienGoogle Mapで開く
- 営業時間:火~日 10時00分~18時00分
- 入場料:12ユーロ
おわりに
以上が、筆者が実際に訪れた経験をもとに、ウィーンの観光スポット解説や観光する際の注意点、所要時間の紹介でした。
旅行の際の参考になれば幸いです。
オーストリア旅行に行くなら、まず『地球の歩き方』を読んでみましょう!
オーストリアの観光地についてザックリ把握することができてとても便利です。
情報量でいうと、世界で最も売れている旅行ガイド『Lonely Planet』の右に出るものはいません。
私も旅行の日程を決めるときは必ず『Lonely Planet』を読んで決めます。
日本語版は無いのが残念ですが、問題ありません!
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Lonely Planetについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は読んでみて下さい。
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