【世界一美しい産業遺産】エッセンの『ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群』へ行こう【観光のポイントや所要時間を徹底解説】
ドイツのデュッセルドルフからほど近い場所に、エッセンという都市があります。
ここは、歴史の授業でも聞いたことのある『ルール工業地帯』の中心的な都市で、ドイツの産業の一角を担った『ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群』があることで有名です。
ここでは当時ドイツ最大とされた炭鉱の名残を見ることができます。
この記事では、エッセンのツォルフェアアイン炭鉱業遺産群を実際に観光し分かった見どころや、観光のポイントをお伝えしていきます。
ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群とは
『ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群』は、ドイツのルール工業地帯の中心地エッセンにある世界遺産です。
ツォルフェライン炭鉱は1847年に操業を開始し、19世紀末にはドイツ最大の炭鉱でした。
第一次世界大戦後にドイツの賠償金支払いが滞ったことを理由に、フランス・ベルギーに占領されたことで有名です。
第二次世界大戦の被害も少なく、戦後も稼働し続けましたが、鉄鋼業の衰退とともにこの炭鉱も次第に廃れていき、1986年には石炭採掘が停止され、1993年には最後に残っていた工場も閉鎖されました。
閉鎖後はノルトライン=ヴェストファーレン州が跡地を購入して産業遺産として保護し、2001年に『ツォルフェライン炭鉱業遺産群』としてユネスコ世界遺産に登録されました。
現在では、ドイツの産業発展を知ることができる産業遺産として、また周りは緑あふれる公園として、更に一部は博物館やショッピングスポットとして、地域を代表する観光名所になっています。
ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群(Welterbe Zollverein)
- 住所:Gelsenkirchener Str. 181, 45309 Essen Google Mapで開く
- 営業時間:24時間
※ルール博物館やショップなどは各施設ごとに営業時間が変わります。 - 入場料:無料
アクセス
公共交通機関
デュッセルドルフ中央駅からは電車でエッセン中央駅へ行き、そこからトラムに乗り換えてEssen Zollverein駅にて下車。
移動時間は1時間ほどです。
エッセン中央駅はその他の都市からもアクセスしやすく、公共交通機関でも行きやすいのが良いですね。
車
デュッセルドルフから50分ほどで行くことができます。
広い無料駐車場が併設されているので駐車場にも困りません。
所要時間
ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群には、ルール博物館を始めとした展示や、炭鉱跡、さらにショッピングやカフェなどがある複合施設となっています。
そのため観光には最低でも半日、炭鉱跡の敷地を散策したり、炭鉱ツアーに参加する場合は1日を見ておくといいでしょう。
ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群の見どころ
ルール博物館(Ruhr Museum)
ルール博物館は、ツォルフェアアイン炭鉱にあるシャフト12(Shaft XII)の旧石炭戦場施設を改装して造られました。
館内には当時の様子そのままの展示も行われており、とてもわくわくしました。
写真映えするので、一眼カメラを持った観光客も多かったです。
常設展示では、ルール地方の自然史、考古学、歴史など幅広く取り扱っており、ルール地方について深く知ることができます。
炭鉱についての展示は多く無く、私はかなり面食らってしまいましたが、『ルール地方について知ることができる総合博物館』だと思って見学するといいと思います。
10ユーロの常設展のみのチケット『Ruhr Museum Dauerausstellung mit Portal der Industriekultur und Panoramadach』を購入すると、ルール博物館と併せて、博物館の屋上からパノラマを見ることができます。
有名な第12採掘坑を始めとしたツォルフェアアイン炭鉱業遺産群を見渡せる屋上に登ることができるので、おすすめです。
中々充実したショップやカフェもあるので、写真を撮りつつゆっくり訪れることをオススメします。
所要時間
所要時間は、ルール博物館とパノラマ合わせて2時間です。
私は割と展示内容を端折って見学して2時間ほどかかったので、展示をしっかり見る場合は、3時間以上必要でしょう。
ルール博物館(Ruhr Museum)
- 住所:Gelsenkirchener Str. 181, 45309 Essen Google Mapで開く
- 営業時間:10時00分~18時00分、12月24・25・31日は閉館
- 入場料:ルール博物館+パノラマ…10ユーロ
レッド・ドット・デザインミュージアム(Red Dot Design Museum)
ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター(Design Zentrum Nordrhein Westfalen)が主催する国際的なプロダクトデザイン賞である『レッド・ドット・デザイン賞』の受賞作品を見ることができるミュージアムで、世界45ヶ国から集められた約2000点もの作品が展示され、現代のデザインについて知ることができます。
展示品は、家具や家電、機械、自動車など様々なプロダクトが含まれるので、デザインに興味が無くても楽しめるのが特徴です。
Audiのアルミニウム製の車体やApple製品など、デザインや性能に革新をもたらした展示をみることができます。
所要時間
所要時間は2時間ほど必要です。
デザインに興味がある方はさらに多めに時間があるといいでしょう。
注意点
毎週金曜日は『Pay-What-You-Want-Aktion』というキャンペーンが行われています。
これは、入場料を自分で好きな金額に設定することができる、というものです。
なので、普段より安い入場料で入ることもできますし、高額な入場料を支払うこともできるというおもしろい試みですね。
レッド・ドット・デザインミュージアム(Red Dot Design Museum)
- 住所:Gelsenkirchener Str. 181, 45309 Essen Google Mapで開く
- 営業時間:火~日曜 11時00分~18時00分、月曜定休、12月24・25・31日・1月1日は休み
- 入場料:9ユーロ
※毎週金曜は『自分で入場料金を決める日』です。好きな金額で入場することができます。
第12採掘坑(Shaft XII)などの炭鉱跡を散策
ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群の観光案内所などでは、紙のマップが置いてあります。
※ちなみに、公式HPではPDF形式のマップをダウンロードすることもできるので、事前に予習したい方は見てみましょう。
このマップにはツォルフェアアイン炭鉱業遺産群の敷地を一周できるルートが赤い点線で書かれているので、それに沿って散策してみましょう。
今はもう使用されていない炭鉱、工場などはとても迫力があり、廃工場が好きな方にはたまらないスポットがたくさんあります。
写真映えする被写体ばかりなので、写真好きにはたまりません。
炭鉱跡を1週のんびり歩いて、約1時間30分ほどかかりました。
平坦な道を歩いていくので疲れることもありません。
炭鉱の周りには緑も多く、散歩するにはとてもいいルートでした。
ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群観光のポイント
ツアーに参加する
ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群では、ツアーが開催されています。
ツアーはいくつかありますが、参加することで炭鉱の歴史や当時の労働者の状況などについて学ぶことができます。
ルール博物館内の常設展示には炭鉱についての詳しい説明はなく、またツアーでしか入ることのできない場所もあるので、炭鉱について詳しく知りたい場合はツアーの参加が必須だと思います。
そのため、できればツアーに参加したいところですが…ツアーはドイツ語(まれにオランダ語)で開催されており、英語では通常行われていません。
プライベートツアー(110ユーロ、20名まで)の場合は英語を選択できるので、もし興味がある場合は問い合わせてみると良いでしょう。
『世界一美味しいビール』を飲もう
ルール博物館に併設されているカフェでは、『Stauder Pils』というビールが販売されています。
メニュー表には『世界一のビール(the best beer in the world)』という文字が…そんなこと書かれたら飲みたくなりますよね!
味は、日本で飲む瓶ビールに近く、とても飲みやすい感じです。
世界一か?と聞かれるとなんとも言えませんが、美味しいビールですし、ルール博物館の内装を見ながら飲むビールはまた格別です。
アルコールフリーのStauder Pilsも販売されているので、車で来た場合でも楽しむことができます(ドイツを含むヨーロッパのアルコールフリービールは日本より断然美味しいです)。
『Stauder Pils』は1867年創業のシュタウダー社が製造しているエッセンの地ビールです。
エッセンに来たら、記念に一度飲んでみてはいかがでしょう。
あわせて訪れたい近郊の観光地
ネアンデルタール博物館
ネアンデルタール博物館はデュッセルドルフ近郊にある、ネアンデルタール人に関する博物館です。
ネアンデルタール人が発掘されたネアンデル渓谷に建てられ、ネアンデルタール人に関する展示をメインに、人類の進化の歴史や発展の様子を、子どもでも楽しめるように分かりやすく展示されています。
例えば、ネアンデルタール人の骨の複製に触れたり、火おこし体験ができたりなどなど、実際に触れ、体験することに重点が置かれており、言語が分からなくても楽しく見学できます。
エクスターンシュタイネ
エクスターンシュタイネはドイツ北西部リッペ地方に位置する『トイトブルクの森』の中にある奇岩群で、高さ40mもの奇岩に実際に登ることもできます。
何度か考古学調査も行わてれいますが、未だはっきりとした用途が分からない洞窟や祭壇などがあり、なぞに包まれた部分も多い場所です。
ヴィルヘルムスヘーエ城公園
ドイツ北西部のヘッセン州にあるカッセルは、メルヘン街道の起点となる街として知られています。
そしてこの街には、世界遺産に登録された『ヴィルヘルムスヘーエ城公園』があることで知られています。
この公園は、17から18世紀にわたって建築されたバロック式の庭園で有名です。
特に28万リットルもの水を当時の技術を使って流すことで行われる、滝や噴水などの『水の芸術』と呼ばれるショーは一見の価値があります。
2013年には世界遺産にも登録され、ドイツ政府観光局によってドイツの観光名所100選にも選ばれています。
ドイツ旅行に行くなら、まず『地球の歩き方』を読んでみましょう!
ドイツの観光地についてザックリ把握することができてとても便利です。
情報量でいうと、世界で最も売れている旅行ガイド『Lonely Planet』の右に出るものはいません。
私も旅行の日程を決めるときは必ず『Lonely Planet』を読んで決めます。
日本語版は無いのが残念ですが、問題ありません!
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LonelyPlanetについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は読んでみて下さい。
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